火星で野菜栽培

21世紀になったら誰でも宇宙旅行ができるようになる・・・

そんな夢と期待を持ったまま、最後の月面着陸から46年。
すでに半世紀が立とうとしていますが、今、「あと10年程度で火星に着陸できそうなところまで来ている。」と言います。

なかでもたびたび話題となるのがお隣の惑星である火星。
とはいえ、地球から火星に到達するまでには約9カ月もかかると言われています。
それどころか、いまだに着陸した宇宙飛行士もいないのが実情です。

理由は技術的な問題だけではなく、様々な問題があります。
たとえ火星に到着したとしても、火星と地球の軌道の条件がそろうまでに500日を火星で過ごした後、再び9カ月をかけて地球に帰還しなければならない宇宙飛行士。
そんな宇宙飛行士の健康を維持することが必要となります。

ペアパーツの製造、飲料の生成、そして栄養のある野菜を栽培すること・・・

ここでは、とくに宇宙での野菜栽培について取り上げてみたいと思います。

人間の体に欠かせない生野菜の栄養素を宇宙で摂るには

「宇宙食」というとチューブ入りのものを思い浮かべる方も多いかもしれませんね。
アメリカ人宇宙飛行士として初めて地球周回軌道を飛行したジョン・クレン氏が宇宙でチューブに入ったアップルソースを食べていたのが1962年。

当時は人間が宇宙空間で食べ物を飲み込めるのかどうかすら分かりませんでした。

そこから数十年。
微小重力の環境での食料を提供してきた研究者たちの次の役割は、宇宙空間で新鮮な食料をどう提供するか?というところに来ています。

そこでNASAが開発したのが「Vegetable Production System」(野菜栽培装置、通称「Veggie」)。
国際宇宙ステーション(ISS)では、2014年からこの栽培装置を使用しています。

野菜栽培システム
提供:NASA Johnson

野菜に多く含まれるビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素は、私たちの体の中では作ることができないため、食事からとる必要があります。
また、NASAは「息抜きや気晴らしを与えるようなツール」となることも期待しているようです。

今のところ、Veggieは赤いロメインレタス、キャベツ、カラシナ、ヒャクニチソウを栽培するために使用されています。
最初に収穫されたレタスは凍結され、有害な微生物や細菌がいないかどうかを確認するために地球に送り返されましたが、宇宙サラダは安全に食べることができるようです。

宇宙飛行士たちが地球に帰還すると、最初に食べたがるのがサラダということが多いそうです。
これは、体が必要な栄養素を求めているからなのかもしれません。

NASAは今秋、Veggieでトマトを栽培する予定なのだとか。

足踏み状態にも感じられた宇宙への旅。
おいしい野菜とともに宇宙へ出られる日がくるのももう間もなくなのかもしれませんね。